今年最高に気に入ってます。ダブレストダブルロープドスーツ。
去年から、MICHELE&shinの新定番のデザインコンセプトで展開している「ダブルロープドショルダー」
MICHELE&shinのダブルロープドショルダーとはこの肩付けを言います。
ただのロープドショルダーとは違います。今回はそんなダブルロープドショルダーの紹介を。
ダブルロープドとは?
もともと、このダブルロープドショルダーを知ったきっかけが、数年前にイタリア紳士服の展示会PITTI UOMOの会場で見かけたある紳士からでした。会場広場を見渡せるメイン会場の2階部分に大きなテラスがあり、みんなここで煙草をぷかぷかしながら会場を見渡してます。、(どこかイタリアは日本にくらべて、まだまだタバコなんかの趣向品に対するする感覚が緩い様に感じます。)
いつもそこにいる、毎年ブルーブラックのスーツを着て、たむろってる数人の紳士がいます。その紳士の中に一人、いつもひときわ目立つ紳士が一人。その紳士がこの肩付けをしてるのです。
その紳士にこの肩付けの事を聞くと、自慢げに「この肩付けカッコいいでしょ?」「ダブルロープドという肩付けで、肩パットは入れず、この形を作るんだよ。」と。
上衿から肩の先端までの下りと、ナチュラルなシワが最高に新しい
このダブルロープドショルダーの大きな特徴は、まず肩パット入れず、雪ワタのロープドのみでこの形を作る所。上衿から肩先にかけての立体的な登りが本当に綺麗に出ます。さらに肩先にわざとギャザーを入れて留める事で、今までにな無い独特な味わいも見せます。この肩付けは簡単そうで実はかなり難しい、職人泣かせの肩付けです。ナポリスーツの特徴であるマニカマッピーナの新しい解釈がこのダブルロープドショルダーと言って過言ではないでしょう。
構築的な作りに新しいナポリスーツの可能性が。
肩付けがスーツ全体のイメージにどれだけ左右するのかがわかる写真です。肩付けが、このようなになるだけで、構築的でドレッシーな印象になります。
ナポリスーツの代表的なディテールとしてまず上がるのが、こんなマニカマッピーナの肩付けでしょう。
これが代表的なマニカマッピーナの袖付けです。シャツ袖とも言われ、柔らかく肩を包み込む感触は、まさにイタリアスーツが分かってる大人の男って感じで、ナポリスーツのまさに王道のディテールです。
しかし今回のダブルロープドショルダーもナポリスーツ、ナポリスーツが全てマニカだと思ってたら大きな間違いです。ナポリのサルトリアはいつも最新のディテールを研究し、つねに古くならないアイデアを出して来ます。これがいつの時代もスーツはナポリと言われる由縁です。
こんな古典でどこか新しいダブルロープドショルダーのディテールにナポリスーツの新しい可能性が見えてきます。
ナポリの職人が嫌がったこのダブルロープドショルダー
実はこのダブルロープドは出来上がるまでにかなり苦労しました。
実物は僕達しか見ていなく、職人と試行錯誤しながら作ったのですが、出来上がりのイメージがどこか違う・・・。上衿からの下がりと、ギャザーの入りとダブルロープドショルダーの大きな特徴である、柔らかくそして構築的な感じが出ない。何回も何回もの試作を重ねる中、最後は職人が「こんな変な肩作りたいんだったら、フランスに行けよ・・・」なんて喧嘩したのを思い出します。笑
でも喧嘩しながら、こんなカッコいいを肩付けが出来ました。良かった。
さてここからは作品を写真で紹介です。
ダブルロープドショルダーのダブルブレストスーツです。構築的な中に柔らかな印象がMICHELE&shinの自慢です。
ラペルは11㎝のワイドラペルでナポリスーツらしいベリードラインが美しい。
手縫いのミラネーゼスタイルのフラワーホールです。オーダーするならやらないと。
この形が出来なかったんです。構築的でありながら、この柔らかなナポリ付けです。
カッコ良すぎます。
パンツはアウト1タックでウエスマンは3.5㎝でデザインしました。
今回はダブルロープドショルダー、ダブルブレストスーツの紹介でした。
最高にカッコいいので是非参考にしてください。