micheleandshinblog

本当のクラッツクナポリへの道(7)

2024年07月05日

MADE in ITALY は海外向け

今回は、みんな大好き MADE IN ITALY の話です。この MADE IN ITALY は日本人だけではなく、世界中の人がホント大好きで、特に洋服は、このタグだけで一つのブランドになってると言えます。イタリア人もこの MADE IN ITALY には並々ならぬプライドを持ってて、イタリアのどこに行っても、イタリアの 3 色の国旗がはためき、「俺たちのイタリアは本当に美しいだろう?これがイタリアだ!」と言わんばかりのアピールしてきます。イタリア人は本当にイタリア産に誇りとプライドを持っています。そんなイタリア人が認める唯一、物作りのアジアの国は、間違いなく日本です。現地にいて、これ程日本人と言って印象のいい事はありません。まだイタリアに行った事が無い人なら、「日本から来たんだ。」と是非言って下さい。

みんな「おー日本人か?いいね。一番行きたい国が日本なんだ。」と大体話してきます。イタリア語なら「ソノ、ジャポネーゼ」で大丈夫で、「私は日本人です」の意味です。覚え易いでしょう。

僕の工房の定位置です。この狭い空間が何故か落ち着きます。


実は、MADE in ITALYは海外向け

今回クラッシックナポリを勉強するにあたって、色々話をする中で、職人からこんな事を言われました。「ミケーレ、本当のナポリクラッシックにするなら HAND MADE INITALY のタグは除けた方がいいよ。」と。え・・・ってい感じです。

そこで色々聞いたところ、「地元で作って地元のイタリア人に着せるのに、わざわざ MADEIN ITALY は入れないんだよ。」「俺たちからすると、MADE IN ITALY と入ってると、海外向けの商品と完全に感じるし、もっと言うなら、わざわざイタリア産を歌う偽物の様に感じるんだ。」・・・そう言う事らしいのです。

確かに地元の物にわざわざ MADE IN ITALY とは入ってないし、イタリア産を強く意識した事もあまりありません。スーパーマーケットに行って買う食材は、木箱か段ボールの箱に、ざっくりと入ってるフルーツや野菜を買うし、日本の様に産地を気にして買わないのです。そこはイタリア産が普通だからでしょう。服もそうです。ナポリの、ここのサルトリアで作ったのが分かるのにわざわざ MADE IN ITALY とは表記させません。

ナポリで現地イタリア人の為に作るスーツには、MADE IN ITALY や HANDMADE IN ITALY の文字は入ってないのです。

初めは分かる為にこのタグにした

元々MICHELE&shin の初期は、この分かり易いタグにしてました。これにはいくつかの理由があり、その一つがクリーニング等に出した時に一目で、イタリア製の手作りの商品が分かって欲しい事と、御客様にも少し丁寧に扱って欲しい等がありました。

今のタグはこれです。

今見ると昔のはどこか無骨な感じがします。

職人に聞くと

そこで職人に「お前ら、早く言ってくれよ!知らなかったじゃあないか。恥ずかしい・・・」

と言うと「でもミケーレ良いんだ、俺達が作った商品は地球を約半周して極東の日本で着てくれてる。こんなに誇りに感じる事はないんだ。しがないナポリの職人が作った服を世界中の人が着てくれてるんだから。」「ミケーレが変に現地ナポリのクラッシックに拘るからアドバイスしただけで、海外向けだから MADE IN ITALY は悪くない、もっともっと広めてくれよ。そしてもっともっと良いもの作ろうぜ。」と。

泣けてきます。

しかし、本当に知らない事だらけです。もっともっとクラッシックナポリを知りたい欲求がさらに芽生えてきました。

今回は MADE IN ITALY の現地でも秘密を少し書きました。

次は 7 回のブログのまとめを少し書きたいとおもいます。是非楽しみしといて下さい。