ガウンコートの新しい形を求めて
コーヒー文化が日常のイタリア。食後には必ずと言って良いほどコーヒーを頼みカップを片手に店員さんと昨日のサッカーの試合の話しに盛り上がります。ほとんどの紳士はエスプレッソを頼みながら街中の小さなBARからエスプレッソを作る時に聞こえる「コンコン」とエスプレッソマシンを叩く音を心地よく聞いています。僕もこの音を聴くとイタリアに帰ってきたなと感じます。(イタリアでBARは日本で言うカフェテラスになるかな?)そんなBARですがフィレンツェを訪問したら一度は訪問してもらいたいのが写真のBARGILLI(バージッリ)があります。
1733年創業で今年で291年の歴史を誇ります。なんと291年です291年・・・今ではフィレンツェのシンボル的な存在になっており一度は行って欲しい場所です。BARGILLIは外のガラス張りのテーブル席も良いのですがオススメは中のカウンター。カウンター越しに「ウーノエスプレッソペルファボーレ」と言うとコンコンという音と共にエスプレッソが貴方の前に出てきます。300年の歴史を感じながら飲むエスプレッソは格別です。BARの朝は早く落ち着いて雰囲気を感じたいのなら観光客でごったがえす日中は避けて朝早くいくのがオススメです。さてBARGILLIも回し者みたいになりましたが今回紹介するのがこのコートです。
早朝のBAR JILLIで撮影しました。
羽織るの新しい形
よく見て下さいこのコートにはボタンがありません。イメージしたのがガウンの様なコートでした。ガウンの様なコートをどこまでMICHELE&shinの解釈で「紳士が着てもおかしくないデザインに出来るか」が課題でした。どうしてもこのデザインになると女性的な印象が強く生まれます。そこで「ジェントルマンが羽織れる新しい形」を考えながら完成したのがこのコートです。そこでまずは生地選びからです。張りのある生地がイメージ。まずは生地の選択からです。イメージは「厚みがあり貼りがあるグレーベージュ」でした。候補に上がったのがウールカシミアの布生地とメルトンの布生地です。
見比べてみるとウールカシミアだと光沢が出過ぎる感じです。これだとメルトンが良さそうです。メルトンのしっかりした質感とデザインがどこか合いそうです。しかしピッタリ来る生地がMICHELE&shinに今ありません。じゃあさっそく行ってみるのがMICHELE&shin流、いつもの布生地屋に直行です。
この布生地をハンティングしてる時が最高にHAPPYな瞬間です。
ありました。イメージ通りです。
彼女は元々有名ハイブランドデザイナーチームの一員から布生地屋のオーナーになった人で(有名ハイブランドのデザインはチームで行います)この時は彼女にコートのデザインについて教えてもらってるところです。いつもですが知らない事だらけで偶然起こる出会い頭の発見から生まれるものがあると信じてる僕にとっては至福の時です。
美し過ぎるをコンセプトに次はデザインです。彼女にも教えてもらい「Micheleの美し過ぎるがイメージなら防寒着としてのイメージは捨てて羽織るだけに考え方をまとめた方が良いよ。その方がラグジュアリーになる。もし前を閉めたいなら後ろにベルトを付けたら良い。でもベルトは金具なしでね」と良いアイデアを貰いました。コートにボタンを付けない選択は紳士の場合なかなか難しい選択です。でもチャレンジが必要です。美し過ぎるをコンセプトに少し良いのが出来そうな予感です。そこで出来上がったのがこのコートです。長くなったのでここからは写真で作品を紹介します。
今回はMICHELE&shinの解釈で作成したガウンコートの紹介でした。布生地の選択とデザインで美しいコートが完成したと思います。是非参考にして下さい。