チェスターフィールドコートをMICHELE&shinの解釈で
チェスターフィールドコートはコートの王様と言っていいでしょう。最もフォーマルで、最も使えるのがチェスターフィールドコートで、シンプルであるだけに、作り手側からすると最も難しいコートの一つになります。シンプルであればあるほど、美しく見せるカットやディテール、縫製の良し悪しが出ます。そんなチェスターフィールドコートですが、基本を押さえながら、MICHELE&shinの新しい解釈で作ったチェスターフィールドコートがこれです。今回、そんなコートの紹介です。
王道のチェスターフィールドコートを現代に生まれ変わらせたのがこのデザイン
イタリア・ナポリのサルトリアには古くからコートのポケットの形に決まりがあります。シングルチェスターフィールドコートは必ず真っ直ぐなフラップポケットを付け、ダブルブレストチェスターフィールドコートは真っ直ぐなフラップポケットかスラントポケットでもOKという謎の決まりがあります。この昔の決まりを知らない頃、僕自身はコートのポケットがスラントポケットが好きで、どんなコートのポケットもスラントポケットにしていました。
これがコートのスラントポケットです。
これがコートのフラップポケットです。
なぜ僕がスラントポケットが好きかというと、単純に寒い時にポケットに手が入れやすいからです。ただそれだけで、ほとんど僕用に作るコートはスラントポケットにしていましたが、ある日、「ミケーレ・・・ナポリでは昔からシングルチェスターフィールドコートはそのスラントポケットはしないんだぜ!ダブルブレストはOKだがな」と、誰が決めたか知りませんがそう言われました。「そうなんだ・・・知らなかったよ。じゃあこのポケットは邪道なの?」と聞くと、「いや、時代は変わって、今は大丈夫だと思う。ただ、クラシックナポリを知って、MICHELE&shinの解釈でやるのと、知らないでやるのは違うと思うんだ。」と言われました。その通りです。本当のクラシックナポリを知らずに偉そうにデザインするほどカッコ悪いことはありません。本当は現地の現場にしか落ちていないのです。本当に勉強になります。
今回のダブルチェスターフィールドコートはスラントポケットとこの袖がポイントです。
今回のダブルチェスターフィールドコートは、僕の好きなスラントポケットでデザインしました。さらに、今回のデザインの大きな特徴がこの袖のデザインです。切り返しを入れて2つボタンの本切羽にしています。
それと後ろですが、ベルテッドにしています。これが今年の冬のMICHELE&shinがチェスターフィールドコートを新たな解釈でデザインしたコートです。
ここからは写真で作品を紹介します。
今回はMICHELE&shinの新たな解釈でデザインしたダブルチェスターフィールドコートの紹介でした。良いコートが完成したと思います。ぜひ参考にしてください。