Pitti Uomo 24 aw Vol.3
静かな贅沢からの脱却が始まった
1月のフィレンツェは、静かなピント張った空気の朝から始まります。イタリアでも北部に位置するフィレンツェは、ナポリの朝の空気とはどこか色が違って見えます。ナポリの朝は明るい黄色い朝で、フィレンツェの朝はピント張った青い朝です。
1月初めのフィレンツェの朝は遅く、太陽が顔を出すのは8時近くになってから。昨日は新しいオーダーを受けた、イタリア人を中心にヨーロッパ格国のインフルエンサーやモデルと夜遅く迄楽しんだレストランでのワインが少し残っている気がします。
しかし昨日のレストランでの話は面白く、イタリアを中心にヨーロッパやアメリカの紳士服の流れの話は非常に興味深く、あっという間の夜でした。
彼らの話を要約すると「静かな贅沢からの脱却」が始まったと言うことでした。ちょっと抽象的な表現になってて、分かり難いですが、確かにそうかも?と思わせる事がここ最近多く、今回はその紳士服のトレンド感をMICHELE&shin目線でpitti uomo のスナップを交えながら、お話出来ればと思います。
毎年始まる前にコンセプトシートが送られてくる。
あまり知られて無いのですが、pitti uomo が始まる数カ月前に、pitti uomoの主催者から、今回のコンセプトしシートが送られて来ます。「今回こんなコンセプトを主催者側としてオススメしたい」みたいな事が書かれています。そもコンセプトシートに今回書かれてたのは。「ツインズ」でした。二人セットの着こなしがオススメですよ、と言う事です。Pitti umoの主催者から送られてくるコンセプトシートにこんな事が書かれてるのは初めてで、驚きました。
pitti uomo はイタリア紳士服を中心とした業者向けの展示会です。それが、主催者側も展示会場内のブースで商品を展示も大切だが、それより会場に来る、世界中から集まったインフルエンサーやモデルのスナップ写真や動画の発信力の方が圧倒手に影響力がある事を認めたと言えるでしょう。
彼らとの食事の中でもこの話題が出て、「俺達は一見派手に見えたりするけど、一つのトレンドを作ってる自信はある。この二人の同じ格好のスナップを始めたのは俺達からだよね」と。古く見えがちなイタリアサルトリアの世界も確実に流れは一個人そして一デザイナーでは無く、ストリートからになって来てるのを感じた今回のpitti uomoでした。
これは今回THE RAKEに掲載されたMICHELE&shin/Christiana
これもTHE RAKEに掲載されたMICHELE&shin/shaban
静かな贅沢からの脱却が進んでいる
暫く続いた、シンプルで静かなラグジュアリーな着こなしが、少し変化して来てるのが、2024年です。これはハイブランドのランウエイも後押しし、「静かな上品はもう飽きた、より分かり易い着こなしがイケてるんだ」となって来てるのです。
イタリア紳士服もその流れには逆らえず、シンプルで静かな、どこか大人過ぎるな面白みの無い着こなしから、よりコンセプトがハッキリしてる、人とは違う分かり易いデザインや着こなしが台頭して来ています。
これはpitti uomo の商品の展示内容にも現れており、上品と上質を売りにしてた、おとなしい昔からのクラッシックテーラーブランドは影を潜め、自社ブランドの特徴を強く打ち出してるメーカーの台頭が目立ちます。
静かでシンプルなラグジュアリーを求める顧客は世界中に一定層います。しかし時代は間違いなく、静かな大人過ぎるラグジュアリーから、分かり易い特徴のあるラグジュアリーに移行してきています。
オリジナリティーの無いおとなし過ぎるスーツは徐々に終わりつつあります。今回、MICHELE&shinも必ず毎年2回は会場を訪れ、もっともっと勉強しないといけないと、更に強く思い知らされたま今回のpitti uomoでした。
さてここからは会場のスナップを少し。会場の雰囲気が少しでも伝われば良いのですが。
メイン会場のディスプレイです。今回のコンセプトはPITTITIME。
一部ですがスナップです。みんな自分のスタイルでファッションを楽しんでるのが伝わって来ます。
どのスナップも、シンプルで静かな、どこか大人過ぎるな面白みの無い着こなしから、よりコンセプトがハッキリしてる、人とは違う分かり易いデザインや着こなしなのです。
もう無難は卒業の時代が来ました。
是非参考にして下さい。