クラシックパンツの本命
現在、MICHELE&Shinが現地ナポリで学んでいるのが「クラシックナポリの歴史」です。学べば学ぶほど、ナポリ、いやイタリアのスーツ文化の奥深さに日々驚かされるばかりです。
これまで、「北部のスーツは硬く、南部のスーツは柔らかい」「北部のスーツは構築的で、南部のスーツはソフトに体を包む」といった、どこで得たのか定かではない既成概念がありました。しかし、歴史を学ぶうちに「昔はそれほど違いがなかった」という新しい発見が日々あります。まだまだ知らないことばかりなので、これからも現地で学び続けます。
ファッションの歴史は本当に面白いものです。特にスーツの歴史は数十年単位で循環しています。現在イタリアでも、長く続いた「短く細い」デザインから「長く余裕のある」デザインへと移り変わりつつあります。
2015年公開の映画『007 スペクター』では、冒頭でジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグが黒のスーツを着てビルの屋上を移動するシーンがあります。当時は最先端だったそのスーツも、9年経った今ではジャケットが短く、パンツがぱつぱつに見えます。それでも当時はこのサイズ感が流行の最前線で、世界中の紳士たちがこぞって真似しました。流行とは不思議なものです。そしてスーツの流行もまた、常に変化していきます。
いまだイタリアは細いパンツが主流
現在のイタリアの紳士服では、まだ細いパンツが主流です。
写真は今年撮影したものですが、相変わらず細いパンツを履きこなす紳士が目立ちます。ここまで続くと、細いパンツはすでにイタリア紳士服の文化として根付いているようにも思えます。しかし、流行の移り変わりは怖いものです。このデザインがどこまで続くのか、注視していきたいと思います。
お洒落上級者はクラシックパンツへ
ただし、現在のイタリアではクラシックなサイズ感のパンツデザインが台頭し始めています。イタリア紳士のお洒落上級者は、この2つの流れを確実に捉え、少しずつクラシックなパンツを取り入れる動きが見られます。
写真をご覧ください。このように、クラシックパンツが徐々に増えています。
MICHELE&Shinの提案
そんな2つの流れの中で、今回MICHELE&Shinが提案するクラシックナポリのパンツデザインがこちらです。
イメージは1950年代のクラシックスタイル。ゆったりとしたワンクッションの効いたエレガントなラインが、クラシックな雰囲気を演出します。どこか昔の写真のようで、フィレンツェの街並みに溶け込み、最高のクラシックが表現できたと思います。
今回はクラシックパンツについてのブログでした。イタリアではまだ細いパンツが主流ですが、徐々にクラシックなラインへと移行しつつあります。ぜひ参考にしてください。