グレーでしか表現出来ない事がある
今年の冬、MICHELE&shinがイチオシなのが、グレーの配色を基調としたコーディネート。冬こそ寒色の代名詞であるグレーを着てほしいと思っています。今回作成したのが、ライトグレーのヘリンボーンのスーツと、同じくヘリンボーンのコートです。
ヘリンボーンとヘリンボーン、さらにグレー×グレーの組み合わせで大丈夫なの?と思いがちですが、うまく組み合わせれば、こんなに粋に魅せられます。
今回は、MICHELE&shinが今年の冬イチオシのグレーのスーツとコートを紹介します。
ブルーブラックかチャコールグレーか
イタリア紳士のクローゼットには、基本のスーツとして、紺とチャコールグレーの2着が掛かっています。紺も鮮やかなブルーではなく、イタリア紳士が大好きなブルーブラック(日陰や夜になるとブラックに見え、太陽に照らされるとブルーに見えることからこの表現をします)です。そんなブルーブラックとチャコールグレーの2つの色から、まずイタリア紳士はスーツをはじめます。
PITTI UOMOなどのスナップ写真の影響で、イタリア紳士は普段から派手なスーツを着ているイメージが日本人の中にはあるようですが、実際にはそんなことはなく、まずこの2つの基本の色から始めるのが父親から学ぶ基本です。その後、いろんな組み合わせを楽しめるようになり、夏はソラーロ、冬はフランネルのライトグレーなど、徐々に腕を上げていくのです。そんなイタリアで、今年MICHELE&shinが次のステップとして着てほしいのが、こんなグレーのスーツとコートです。ライトグレーより少し濃いグレーと言えます。
しかし、グレーは奥が深く、さまざまな色があります。先ほども述べましたが、炭色と言われるチャコールグレーから薄い灰色のホワイトグレーまで、色によってまったく雰囲気が変わります。
今回MICHELE&shinが最もいいと思うグレーがこのグレーです。
ミディアムグレーをコンクリートグレーと?
色を文章で表現するのは難しい作業です。特にグレーは色の幅がありすぎて難しいのです。今回の色は一般的にはミディアムグレーと表現するのが最も合っていると思います。しかし今回のように実物の写真があればイメージしやすいですが、写真がないと分かりません。例えば、赤茶色をレンガ色と表現したり、薄緑色を鶯色と表現したりします。そこで、MICHELE&shinではこの色を「コンクリートグレー」と表現しました。
コンクリートグレーでしか表現できないことがある。
なぜコンクリートグレーと表現したかと言うと、写真を見てください。全体を見るとグレーに見えますが、基本の薄いグレーに黒や白など色んな色が入り構成されています。ミックスグレーなのです。このミックスのテクスチャーを表現したいので、コンクリートグレーと呼びたいのです。コンクリートはセメントと砂と骨材の素材を混ぜて作成されます。なのでこの表現にたどり着きました。
イタリアの町も旧市街を抜けると、コンクリートの建物が徐々に多く見られるようになります。歴史を守る地域は基本的に煉瓦と石作りの建物ですが、郊外はコンクリートの建物が多いのです。そんなイタリアのコンクリートがまさにこんな色なのです。不思議なことに、イタリアのコンクリートの建物は無機質ではありません。
このように色が複合的に絡み合ったグレーは、洋服を立体的に見せ、表情豊かに見せます。特にこんなヘリンボーンはさらに豊かな表現を服に与えます。
ヘリンボーンのコンクリートグレーはオススメです。
ここからは写真で作品を紹介します。
街並みに美しく映えるスーツとコートです。
すべてMICHELE&shinオリジナルファブリックです。
今回はグレーヘリンボーンのスーツとコートの紹介でした。ミックステクスチャーのコンクリートグレーは、服を豊かな表情に見せてくれます。
ぜひ参考にしてください。