フルオーダーならではの遊び心、ベルテッドスーツの完成です。
ベルテッドのブルースーツが完成しました。
MICHELE&shinらしい、遊び心満載の出来上がり。当に良い仕上がりで、全体のデザインバランスが上手く行ったと思います。そんなフルオーダーならではのブルーのベルテッドスーツを今回は紹介します。
ベルト幅は悩みました。
実は今まで、ベルテッドのスーツを、極々少ししか作成した事がなくて、今までのベルテッドスーツのベルト幅を、何となく「これぐらいの寸法だろうな?」って今までの慣習で決めていた自分がいました。その寸法が6cm幅でコート等と同じ幅です。本当になんとなく決めていた感じです。しかし、ベルトスーツで一番のポイントになるのは間違い無くベルトです。そんなベルトデザインに対して甘えがあったんです。反省です。MICHELE&shinのイタリア、ナポリのフルオーダーは、一人一人のお客様に対して、拘りを表現するのが使命です。一つ一つの服作りを芸術的アプローチで作品を作っていると考えています。なのに一番大切なポイントを、何気なく今までの慣習で作るなんて最悪です。
そこで反省し、今回は、ベルト幅、長さ、芯材の硬さ、全てに拘りました。
細くした理由
今回、ベルト幅を見て少し細いんじゃない?って感じた方は多いはずです。確かに細いのです。これは、わざと細くデザインしたのです。
実際、僕にはデザインを書いた時点で、実際の仕上がりはまだ分かっていませんでした。そこで今回は3本のベルトを作り、実際にあててみてバランスを見ました。贅沢でしょ。オーダーと言うより、オートクチュールです。でも拘ります。
そこで最も不思議なバランスだったのがこの4cm幅のベルトだったのです。今までの6cm幅だと安心感はありますが、面白く無い。不協和音の様な絶妙なバランスがこの4cm幅だったのです。拘って良かった瞬間です。実際写真より現物はもっと美しいです。
このデザインにはこのラペルデザインです。
更に拘ったのがこのラペルデザインです。シングルブレストのピークドラペルですが、角度、幅、ライン、最高のバランスになったと自慢の出来上がりです。
ハンドステッチ無しが正解でした。
MICHELE&shinのナポリスーツの大きな特徴として、ダブルステッチがあります。数多くのお客様に「せっかく、ナポリスーツにするなら、手縫いのダブルステッチ入れましょうよ。」って自然と勧めています。しかし、今回の全体デザインコンセプトを見た時に、「このスーツはステッチなしだ。」と確信しました。シャープで無駄な物を削ぎ落した仕上がりが重要だと思ったからです。ハンドダブルステッチを今回は入れず正解でした。
さてここからは作品を写真で紹介します。
鮮やかなブルーのベルテッドスーツです。美し作品が完成しました。
ラペル幅は13cm、ストレートカットのラインでVゾーンを少し浅くデザインしました。
マニカマッピーの肩付けが柔らかい印象を与えます。MICHELE&shinの自慢のデザインです。
今回拘ったベルトです。4cmの少し細いベルトのバランスに、2度見されるのは間違いなしです。
今回はブルーのベルテッドスーツの紹介でした。フルオーダーならではの遊び心満載の出来上がりです。ぜひ参考にして下さい。